こんにちは、かおるんです。
11月の頭に申し込み、12月の前半と1月いっぱい(実質1.5ヶ月)で合格までこぎつけました。
準備期間は実質1か月半程度。
一発合格できたので、何かの参考になればと思って記録に残します。
英検準1級の難易度・合格率
英検を実施している日本英語検定協会によると、
準1級は、最終目標である1級の手前まで着実に力をつけているレベルで、およそ大学中級程度とされています。社会生活で求められる英語を十分理解し、また 使用できることが求められます。
となっています。(引用元:日本英語検定協会の準1級の試験内容・過去問)
英検2級が高校卒業レベルであることと比べると、
- 必要語彙が大幅に増える(2級は5000語→準1級は8000語)
- 長文をすばやく読む必要がある
- リスニングにイギリス発音が加わる
- 二次試験でナレーションが加わる(2級では音読だったものをアドリブで言わなければならない)
などが大きな違いです。
合格率は、現在は公表されていません。
しかし、一次試験の合格率は15%~20%、二次試験の合格率は80%程度と言われています。
準1級の試験内容と配点
一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)
一次試験は、筆記90分+リスニング約30分の合計約120分です。
配点はリーディング・ライティング・リスニングそれぞれ750点満点。詳しくは次の「合格点を取るには」に譲りますが、それぞれ平均7割取ることが求められます。
筆記試験の90分間で、
- リーディング(語彙25問+長文5つ)
- ライティング(120-150wordsのエッセイ)
- リスニングの下見
をしなければなりません。かなり慌ただしいです。
リスニングは筆記試験の直後。TOEICなどと違って1回ずつしか読まれません。
筆記の90分で頭を使い果たしてボーっとしてしまうと命取り。約30分間です。
二次試験(スピーキング)面接
二次試験は、一次試験の合格者のみが受けることができます。
- 自己紹介(簡単な日常会話)
- 4コマ漫画を見ながらあらすじをナレーションする
- 質疑応答×4
配点はナレーションが15点、質疑応答が5点×4問、態度(アティチュード)が3点の38点満点。
22点以上取れれば合格です。
合格点(合格に必要なCSEスコア)と素点の関係
ここで、
- 一次試験の合格ラインが、CSEスコアで2250点満点中1792点(約8割)であること
- 英検が「7割程度の正答率の受験者の多くが合格している」とあいまいな表現をしていること
の謎についてお話しします。
英検の1問ずつの配点は公表されておらず、回によって異なる
英検の1問ずつの配点は公表されていません。また、回によって異なります。
たとえば、筆記試験は4択の語彙問題×25問からはじまります。
この25問の配点は、それぞれ同じではないということです。
受験者の正答率によって変わるようなので、配点が決定するのは試験後ということになります。
合格ラインのCSEスコアが1792/2250で約8割である理由
CSEスコアでの合格点は1792点です。(毎回必ずこの数字です。)
満点は、リーディング・ライティング・リスニングが各750点満点なので2250点です。
ここで1792を2250で割ってみると、約80%となります。
「え? 7割取れればいいんじゃなかったの? 8割取れないと受からないの?」
って思いませんか? (わたしは思いました。)
調べたところ、この答えは
「全体の正答率が7割くらいなら、CSEスコアでだいたい1792点を超えるから心配すんな」
ということのようです。
前の項に書いた理由によって、正答率が7割であっても、正答した問題の配点が低ければ不合格ということもあり得ます。(そういった実例もSNSでお見かけしました。)
7割5分~8割の正答率を目指すと安全だと思います。
英検準1級で合格点を取るには
一次試験で合格点を取るには
まず、時間を計って過去問をいったん解いてみるとよいと思います。
リスニングも必ず、筆記90分の直後の「脳が疲弊した状態」でやってみてください。
わたしの場合は
- 語彙 8~17問/25問
- 読解 12問/16問
- ライティング 評価が不明だったので8割程度取れる見積もり
- リスニング 14~15問/29問
だったので、当日までに
- 語彙 8~17問/25問 →単語を覚えて 18問/25問(読解と合わせて30問/41問で約73%)
- 読解 12問/16問
- ライティング 評価が不明だったので8割程度取れる見積もり →書き慣れをつくる
- リスニング 14~15問/29問 →メモの取り方を工夫して 20問/29問(約69%)
を目指すことにしました。ライティングで80%取れれば、平均で74%になります。
二次試験で合格点を取るには
こちらは非常にシンプルで、配点がわかっている38点のうち、22点を取ればよいということになります。
オーソドックスなのは
- ナレーション10点/15点
- 質疑応答の4問で平均3点(各5点満点)で12点/20点
- アティチュード2点/3点
で24点を取ることです。いちばん安定すると思います。
いくつか注意事項を上げるとすると
- 試験が特殊なので受かりたいなら必ず対策をするべき
- アティチュードで3点満点を見積もるのは危険
- ナレーションは最大12点くらいで見積もる(緊張で2分を超えてしまいカットされる可能性がある)
です。
過去問・参考書の使い方
おもに使用した参考書は以下の4冊です
他に、以下のサービスを利用しました。
どちらも使用して本当によかったです。(使用していなかったら受かっていなかったかもしれないです)
- フルーツフルイングリッシュ(英作文添削サービス)
- ネイティブキャンプ(オンライン英会話)
フルーツフルイングリッシュはライティングパートの対策に、ネイティブキャンプは「喋り慣れ」と、二次試験の模擬試験がわりに使用しました。具体的には次項「各パートの勉強法」に譲ります。
各パートの勉強法
リーディング(語彙)
はじめに過去問を解いたときには、正答が8問〜17問/25問とバラつきがありました。
「バラつきがある」というのは、安定して合格するために致命的なので、順当に単語帳で勉強することにしました。
普段の学習スタンスは、
- なるべく日本語を介さずに英語で学ぶ
- CDを何度も聴いたりシャドーイングをしたり、音読を繰り返したりして、最終的に丸暗記に近い形にもっていく
というもの。したがって、速読・速聴英単語(または速読英単語)のような「ある程度の長さの文章の中に、覚えるべき英単語がいくつか含まれている」ような単語帳が好きです。
パス単のように「1単語に1文がついている、つまり、ストーリーに繋がりのない単文が沢山ある」ものは、わたしには学びづらいのです。
そんなわけで速読・速聴英単語のOpinionを、パス単と並行して使いました。
最後の2週間くらいは、パス単のみを繰り返しました。
詳しいことは、別記事を書きたいと思っています。
リーディング(長文):新しい英文を毎日読む
最初に過去問を解いた段階で、12~15問/16問取れていたので、得点源にするつもりでそれから1週間ほど放置していました。
その後で過去問を解いたところ、「英文が読めなくなっている」ことに気づいて焦りました。
文の構造をとるのが遅く、何度も前に戻るので、「なんだったっけ」と思ってさらに読み返すことになり、なかなか読み進められないのです。時間にして5倍くらいかかってしまいました。
「新しい英文をひとりで読み進める能力」は、筋肉と同じです(経験上)。
毎日やっていれば当たり前に使えるけれど、少しサボるとすぐに落ちます。
過去問をはじめて解いたときは、英語の本を読み進めていたときで、
毎日新しい英文を読んでいました。
単語やライティングばかりに時間をかけている間に、筋力が落ちてしまったようです。
このことに気づいてからは、毎日新しい英文を読むようにしました。
Opinionの文章や、WebサイトからDLした過去問を使いました。
ライティング:添削サービスに20回程度提出
わたしが2級を取ったのは、ライティングが導入されるよりも前のことです。
そのため、今回が初めてのライティング試験でした。
自分の書いた英文を自分で読んでも、減点事項を見つけづらいだろうと考えました。
いくつかの添削サービスを比較検討し、添削の質が高いと感じたフルーツフルイングリッシュを選びました。
20回分の答案を添削してもらえる「英作文チケット40」を購入しました。
22000円で、添削1回あたり1100円となる計算です。
10回も添削を読むころには、
- 120-150wordsの長さの英文の書き慣れ
- どのPOINTSを使うか、agree/disagreeどちらを選ぶかを素早く決める方法
- 単数形複数形や、三単現のsなど簡単なミスを頻繁にすること
- I think~などの頻繁に書く表現のパラフレーズ(言い換え表現)
がわかりました。
結局事情があって10回程度しか提出しなかったため、準1級のために購入される方は、10回分の添削をしてもらえる「英作文チケット20」でもよいかもしれません。
わたしは手元に残ったチケットを、1級のために使おうと思っています。
フルーツフルイングリッシュの効果的な使い方や、チケットを節約する方法については、別に記事を書きたいと思っています。
リスニング:パートごとに作戦をたて、下見する内容を決める。イギリス英語を聴く
リスニングは、リーディング・ライティングの90分の試験が終わってからそのまま行われます。
そのため、頭はかなり疲れています。
しかも1回ずつしか読まれないので、一瞬でもぼーっとすると聞き逃してしまいます。
そのため、下見(リスニング試験が始まる前に選択肢を読んでおくこと)やメモの取り方を工夫することにしました。
具体的には
- 選択肢がすべて動詞から始まっている場合は「次に何をしますか?」のような簡単な問題が多いのであらかじめチェックしておいて集中して聴く
- Part3では、選択肢の横にメモしながら消去法を使う
- 旺文社のアプリで、イギリス発音のものにだけハート(お気に入り)をつけておき、繰り返し聴く
などです。これも別に記事を書けたらと思っています。
スピーキング(二次試験・面接):予想問題を数こなす、テンプレを作る
ネイティブキャンプの講師に「ナレーションはやるだけのびる」と聞いたので、市販の予想問題集を3種類購入して、毎日4つずつくらいやりました。
はじめのうちは、取り組むたびに「こう言いたかったのに」というのが出るので、書き出して覚えていきました。
問題集の解答も見ましたが、なるべく自分で検索して調べました。
「自分が言いたかったこと」のほうが定着がよいだろうなと思ったからです。
本番で使えそうだなと思う表現はまとめて、テンプレとして毎日見直しました。
録音するのはとてもおすすめです。
わたしは自分で録音したものを聞いたとき、
「なんだこれ?! hmmとかummとかlet’s seeとかが多すぎて聞きにくすぎる!」とびっくりしました。
わたしが試験官だったら「なんだこの人の英語は聞きづらいな。聞くのめんどくさいな」と適当な点数をつけるだろうと思いました。
受験者は試験官に Pardon me? とか言えますが、試験官が言うことはありません。
したがって、その一回で「試験官の先生に受け取ってもらう」しかないのです。
採点してもらえるのは、試験官の先生が聞き取ったものだけです。
そのときから、「他人が聞いて聞き取りづらくないか」にも気をつけるようにしました。
言い淀むとhmmとかummを連発する癖も、本番までにかなり減らせました。
受かって嬉しかった
なんだかんだ、英語力は伸びましたし、受かってうれしかったので、受けてよかったなと思います。
なにか参考になれば幸いです。
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