OCEAN TOKYO Shibuyaの後藤ユースケさんがつい数日前に退職されていたことを、昨晩知った。
バタバタしていて(ADHDは常にバタバタしている)、2ヶ月ぶりに予約を取ろうとしたら、ホットペッパーにお名前が無かった。
Twitter検索をしまくった結果、家業を継がれるために退職されたらしい、とわかった。
後藤さんについての思い出を、少しだけ語らせてほしい。
僕がFTMを名乗り始めたのは最近のこと。
だから、最初から「FTMとしての僕」に出会った人は、少ない。
そんな1人が、後藤ユースケさんだ。
自分がFTMだと気づいてから、メンズヘアカタログをチェックするようになった。
その中でかっこいいなと思ったカットは、OCEAN TOKYOのものが多かった。
そしてOCEAN TOKYOのサイトの、好きな髪型の多くが、後藤ユースケさんのカットだった。
だから、後藤さんに切ってもらうことにした。
はじめて、メンズカットのコースを予約した。
備考欄には「FTMで、戸籍上は女ですが大丈夫でしょうか」などと書いた気がする。
後藤さんとは、性別の話をしたことはない。
(戸籍の話は、初回に受付してくださったアシスタントさんが「大丈夫ですよ」と言ってくださったのみ。)
本当にふつうに、誠実に、かっこいいカットをしてくださった。
ツーブロックにするための剃りは、最初にダッカールで分けたあと、小さなピンでさらに細かくラインを決めて下さった。
頭の形、耳の上あたりの毛量がめちゃくちゃ多いこと。別の美容室で受けたカットの内容も2回まで遡って言い当てた。
僕の髪は赤い色素が抜けにくく、初めての美容室ではいつも、想定より暗く仕上がっていた。予め「とても色が抜けにくい」と伝えていても、後から「ここまで抜けにくいとは思わなかった」と言われるほど。
そんな髪を、後藤さんは工夫して染めてくださった。
初めて施術を受ける美容師さんで、こんなに想像通りのカラーに仕上げてくださった方はほかにいない。
OCEAN TOKYOは、人気のある美容室だ。
ヘアカタログにもOCEAN TOKYOの特集があったり、イケメンと紹介される美容師さんが何人も居たり。
少し古い言葉で言うと「カリスマ美容師」が多い。
原宿や表参道に店舗がある。
でも、実際に後藤さんにカットしていただいて、人気やブランドだけではない、確かな技術を感じた。
カット料金も安くはないけれど、目が飛び出るような額ではない。
技術からすれば、安いくらいだ。
これからもずっと、後藤さんにお願いしたいなと思っていた。
勝手な感情としては、「これからもカットしてほしかったのに、残念」とは思う。
けれどそれより強く、「こんなにカットに誠実な方なら、きっと新しい環境でも成功されるに違いない」と思う。
後藤さんがそう選んだなら、応援するしかないじゃないか。
初めて後藤さんにカットしていただいたときの感動を忘れたくなかったから、いま、感傷に任せて書き殴っている。
新しいTwitterアカウントをこっそりフォローした。
そのツイートに、甲本ヒロトの歌詞が引用されていた。
なんだ、ヒロトの話、すればよかったな。
そのツイートがこちら。
https://twitter.com/yu_sukegotoh/status/1060212360684625925
後藤さんのカットに出会えて、よかったです。
感謝しています。