サイトアイコン かほブログ。

計算ミスの減らし方(原因と対処法)学習コンサルタントのアプローチを紹介していく(執筆中)

今回は、学習コンサルでも相談されることの多い、計算ミスについての記事を書こうと思います。

そもそもなぜ計算ミスを減らす必要があるのか? 減らそうと思わなければ減りません。

中学受験生の親御さんあるあるなのですが、親御さんが「計算ミスが減りません、気をつけろと言っても減りません」と仰るものの、お子さんにお話を聞いてみると「そもそも何故塾に通っているのかわからない」「中学受験が何なのかわかっていないけれども親がやれというので勉強している」という場合があります。

計算ミスは、本人が減らそうと思わないと減りません。

というような意識を学習者本人が持っていてこそ、計算ミス対策は始まります。

そうでなければ、指差し確認も検算も、先生や親がいくら「やろうね」と言っても、学習者はやったりやらなかったりします。

(尚、計算ミス対策は、余裕で受かりそうな試験であっても有用です。
試験当日、突然相性の悪い難しい問題が出るかもしれないし、お腹がいたいかもしれません。鉛筆を落としてしまって試験監督がなかなか気づいてくれないかもしれません。
トイレに行きたくなって、試験に集中できる時間が短いかもしれません。

そういった事態まで含めて、「試験当日に合格最低点以上の答案を書いて来られる確率を少しでも上げること」が受験勉強・受験準備だからです。)

学習者本人が「たとえば何かのテストに合格したいとか、これをマスターしたいという気持ちがあって、計算ミスがその障害になっている」と自覚している前提で、「計算ミス対策」をお話ししていきます。

(お子さんと親御さんの目指すゴールが一致しないとか、モチベーションに温度差があって解決したい場合は学習コンサルティングサービスをご利用ください。)

計算ミスは起こるもの。ゼロにはならないと心得て、減らす対策をする

「気をつけて」「気をつけよう」では始まらない

計算ミスをしたことがない人がいるでしょうか。
ほとんどいないと思います。
わたしは昨日、大学受験の数学の問題集を解いていて計算ミスをしました。

計算ミスをするたびに「うわーやってしまった、もうやらないようにしたい」と思うものですが、それだけでは減ったりゼロになったりするものではないのです。

繰り返し発生するヒューマンエラーを「気をつけてね」「次はもっと気をつけてね」で済ます企業があったらヤバイと思いませんか?

企業でもヒューマンエラーは発生します。
Googleで「ヒューマンエラー」と検索するとヒューマンエラーの予防方法がたくさん紹介されていて、ヒューマンエラーの予防策がたくさん検索されていることがわかります。
ヒューマンエラーについての本も多くあります。

たとえば「うちの社員にヒューマンエラーはありません」という企業があったら、その企業を信頼できますか?

ある企業で特定のヒューマンエラーが何度か発生しているとします。
たとえば工事現場で、足場から人が落ちて怪我をしてしまう、などです。

もし、その事故が何度発生しても、上の人が「次はもっと気をつけてね」と言うだけだったら、その企業で働き続けるのは怖いですよね。
対策を提案しても「気をつければ大丈夫でしょ」という上司だったら、僕はその仕事をやめると思います。
具体的な対策を取らなければミスは減らないと、みんな実は知っているのです。

計算ミスの発生した原因をどこまで突き詰めて確認していますか

学習コンサルで計算ミスの相談に乗る場合、

を写真かスキャンでもらっています。

これを全て辿って、たとえば

「大問1の計算問題の中の掛け算の筆算で、紙が足りなくなって最後の足し算だけ別のところに書いたときに、繰り上がりを暗算しようとして間違えた」

みたいなところまで確認します。

その1問のために問題用紙の隅々まで、すなわち全問、全ての書き込みを辿ります。

計算ミスなのか、転記ミスなのか

気をつけて確認すべきなのは

  1. 計算問題で起こったのか、文章題で起こったのか
  2. 計算ミスなのか、転記ミスなのか
  3. 文章題で起こった場合、立式はしているか
  4. 「自分で書いた数字を読み間違えた」ために起こったと考えられるか
  5. どこまでを問題の中に書き込み、どこからを余白に書いているか
  6. 筆算で簡略化しているのはどこか、それはいつも行っていることか
  7. 暗算したのはどこか
  8. 日常の家庭学習で起こったのか、塾の授業中に起こったか、塾の小テストなのか模擬試験なのか、外部試験なのか
  9. 時間は足りていそうか、焦っていそうか
  10. その計算の手前で、あるいは前の問題で、回り道をして解いていないか?(計算ですぐに求められるものを数え上げたりしていないか?)

などです。

慣れ親しんでいなければミスは増える

そもそも慣れ親しんでいない範囲の問題である程度の計算ミスが起こるのは仕方のないことです。

九九を丸暗記したばかりで筆算を習いたての小学校2年生と、そのあと掛け算を使い込んでいる高校生が、
筆算の掛け算が出てくる文章題を解いたとします。
どちらが計算ミスが多くなるでしょうか。たぶん前者だと思います。

状態では、計算ミスが出てしまうのは仕方ないのです。

計算ミスを憂いている暇があるなら問題を解いて慣れるほうが早い、ということも多々あります。

パターン1 字を綺麗に書かない・スペースをうまく使うのがまだ苦手

小学生にはよくあるパターンです。字が綺麗でないと、自分で直前に書いた数字を読み間違えることがあります。

そもそも、「スペース全体を見て有効に使う」ための認識能力は、小学生は未発達の場合があります。(個人差があります。)
たとえば、幼稚園児が絵を描くと、顔を大きく描いてしまって身体が紙からはみ出してしまうことがあります。
大人になるにつれ、スペース全体を見ながら描くことができるようになります。

国語の記述問題で解答欄が大きな枠になっているとき、小学生は

  1. 2~3行書けるくらいの字の大きさで、解答欄をほどよく使って書ける子
  2. 採点者が読みづらいくらいの小さい字で書いてしまう子(はじめはまっすぐ書けていても、途中からだんだん右や左に寄っていってしまう子もいます)
  3. 元気よく大きな字で書き始めて、すぐに解答欄いっぱいまで使ってしまい、最後のほうの字はすごく小さく書く子

など様々です。

1.の子は、問題用紙の白紙の場所全体を見ながら、適度な大きさの字で式や筆算を書いていくことができます。
しかし、2や3の子は、たとえば「自分が立てた式なのに、筆算を別の場所で行って戻ってきたら、読めない/読み間違いをしてしまう」ことが発生します。

いわゆる「字が汚くて読みづらい」というのも、スペースを認識する能力育ってくると改善することが多いです。
字を書くということは、漢字練習帳の1マスに文字のパーツをバランスよく置いていくことの応用だからです。

小学生は漢字練習を毎日したほうがいいと思っていますが、試験当日までにそこまで日数がないこともあります。
そういった場合には、志望校の過去問の情報を探して(過去に出した問題を、問題用紙ごとそのままの状態で売っている学校もあります)、たとえば「大問1は、たいてい計算が5題だから、筆算はこのくらいのスペースに書くようにしよう」と保護者のかたと作戦を立てるのも良いと思います。

パターン2 毎日計算練習をする習慣がない、学習量が少ないために慣れていない

パターン3 イコールで式変形をしていく習慣が無い

パターン4 問題集や試験問題に書き込みすぎる

パターン5 筆算の途中から書いてしまう、途中から別のところに書いてしまう

計算ミス対策1 計算ミスが発生した原因をノートか解答解説のページに書く

計算ミス対策2 いったん白紙から罫線のノートに戻す

計算ミス対策3 学習環境を物理的に見直す

「気をつける」だけでどれだけ減らせるかは、人によって違う。(中学受験あるある)

モバイルバージョンを終了