先日、こんな記事を見かけました。
うつからの回復は「何かを捨てる」ことである、と教わった。
うつからの復帰率が悪いのは、実は高学歴者である。それは「元どおり」をゴールとしてしまうから。
挫折体験を乗り越えるとは、もともと10のものを持っていたひとが、そのうちの2つ3つを捨てて、人生を再編集して生きなおすことなんだ。
— Dr.ゆうすけ (@usksuzuki) July 24, 2018
ちょっとだけ高学歴(かな?)の僕はうつ病と6年ほど闘病しました。
「何かを捨てる」は、合っているようで違っている気もしますが、僕の実体験をシェアします。
うつ病になったきっかけは うつで倒れた朝のこと。気分が落ちたわけでも死にたくなったわけでもなかった。 に書きました。
一言でまとめれば「優秀な成績をおさめていた学生が、周囲の期待に応えようと頑張りすぎてある日突然ベッドから起き上がれなくなった」です。
回復への最大のきっかけ:ADHD診断とストラテラ
ストラテラを飲み始めて2か月ほど経ち、40mg×3錠が安定してきたころから、うつ病はぐっと楽になりました。
朝に起きられるようになり、昼間に何かの活動ができるようになり、夜に寝られるようになりました。
治ったから捨てたかっこいいキャリアと正社員
では僕が何も捨てなかったかというと、そうではありません。
うつから少し元気になって活動量が増えてきたころ、僕は「正社員になってバリバリ働いてキャリアを築く」という夢を捨てました。
「なんだそんなこと」と思われるかもしれませんが、ぼくは「正社員になってお給料をたくさんもらう」生活をしていないのが大きなコンプレックスでした。
高校の同級生は99%が四年制大学に行ったし、大学の同級生は研究職か大手企業に就職する人ばかりでした。病気をしてそのレールから外れてしまって、人間として落ちこぼれたような気持ちでした。
僕にとって「うつ病が治る」とは、そのレールに再び乗れることでした。
しかし、ADHDの本を読むうちに、「毎日9時から17時までひとつの椅子に座らせておくのはかわいそうなのではないか」と思うようになりました。
思い返してみると、
- 50分授業の後半になると姿勢が悪いと注意された
- 大学のときは90分座っているのがつらすぎて中ほどで自主的に休み時間をつくり散歩をしていた
など、「長時間じっとしていること」が負担になっていたエピソードはいくつも浮かびました。
僕のうつ病は、何も捨てなくても治ったと言えるか?
「何かを捨てたから、うつ病が治った」というわけではありません。
しかし、病気がよくなったからと、また「かっこいい正社員」のレールに乗ろうとしていたら、同じようなことを繰り返していたはずです。
冒頭のツイートの、「挫折体験を乗り越えるとは、もともと10のものを持っていたひとが、そのうちの2つ3つを捨てて、人生を再編集して生きなおすこと」でいうと、僕は
- 周囲の期待に応えようとすること
- 自分に向いていない「長時間拘束される正社員の仕事」
を捨てました。
まとめ
- ADHDであること・ストラテラの投薬でうつ病は良くなった
- 「周囲の期待に応える」「正社員」などを諦めなかったら、また悪化していたかもしれない
闘病期にお医者さんに教えてもらって取り組んでいた本