先日、この記事を読みました。
▶ 「こころの病気かな?」と思ったらすぐ行動を! 産業医に相談、または精神科へ。
うつは初期の対処がとても大切だと書いてあり、その中に
急に動けなくなったり
とありました。
私がうつになったときも、急に動けなくなったのです。
これだーーーと思い、実例のひとつとしてシェアします。
重力が突然10倍になった朝のこと
Xデーの前日まで、わたしは楽しく学生生活を送っていました。とても忙しかったですし、周囲に期待されて応えなければと頑張っていました。充実した生活をしていました。
そんなある朝。
目覚まし時計が鳴り、手を伸ばして止め、ベッドから身体を起こ……起き上がれなかったのです。
布団が重たい。
上体が起こせない。
何故だろう、困ったなあと思いました。
学校に行きたいのに、授業を受けたいのに、勉強をしなくちゃいけないのに。
この時、自分がメンタルの病気だなんて微塵も思っていませんでした。
お昼近くまで、何故か起こせない自分の身体と闘っていました。
何をするにもとても時間がかかる
お昼前には重力との格闘に勝利し、ベッドから出ました。
熱を出したとき以外で遅刻するのは、初めての経験でした。
(それまでは、微熱でも根性で学校に行くような生徒でした。)
午前中の授業に出られなかったなあ、あとで自習で追いつかなきゃ、と思いながら、お風呂場へ。
タオルを一枚選ぶのに、5分くらい考えこみました。
どれだって一緒なんです。色の違いくらいしかないんです。
(いつもは何も考えずに1秒くらいで取っていました。)
シャワーを終えて、着替えるものを選びます。
これにはたしか2時間くらいかかりました。
着るものを選んでから、着替えるまでに1時間くらいかかりました。結局、外出できたのは16時くらいでした。
母が朝早くから外出していて、17時くらいに帰ってくるはずだったので、それまでに出かけられてよかったと思いました。
授業は最後のコマだけ出ました。
翌日、出かけられたのは18時でした
翌朝も、やっぱり重力が10倍でした。
結局出かけられたのは18時くらい。
母が帰宅するより前に出かけることができ、心配をかけずに済んでよかったと思いました。
学校に行っても授業は全て終わっている時間でしたが、「授業に出ていないぶん自習しなくちゃ」と思い、カフェに行って自習して23時くらいに帰宅しました。
3日目、母が昼過ぎに帰ってくる
重力10倍の不思議体験が始まった翌々日、やっぱり起き上がれませんでした。
この日は、母が昼過ぎに帰ってくる日でした。
10時くらいに「こりゃー、母が帰宅するまでに出かけるのは無理だな」と悟りました。
とりあえず学校の事務室に電話をかけました。
「ここ2~3日、何故か身体が動かず、学校に行けていないため、授業に出られていない。どうしたらいいか」と。
この「どうしたらいいか」は、「根性でなんとか勉強はするが、出席が足りないかもしれない。しかし授業に出られないのはサボリではなく、身体が何故か動かせないから。出席が足りない分を何かで補うことはできないか」という意味でした。
すると、
「今日の15時から学校に来られるか。医務室に医者が来ている日なので診察を受けられる」
と言われました。
そこで初めて、母に
- 昨日と一昨日は実は授業には出られていない
- 何故か分からないが身体が動かない
- 学校に連絡したところ15時に来られないかと言われた
とメールを送りました。
帰宅した母が一緒に学校に行ってくれることになりました。
「いつ自殺してもおかしくない」
帰宅した母と一緒に学校へ向かいました。
診察室には一人で入り、チェックシートを2枚やりました。
医師の質問にいくつか答えました。
その直後、診察室に母も呼ばれ、医師に
「うつ病ですね。いつ自殺してもおかしくないです」
と言われました。
「はぁ~~~~~~?!」
って思いました。
当時の私はうつ病を理解していなかったので、
「死にたい」とかツイートもしないし、自傷行為もしていないのに、なんで私がうつ病なの?!って思いました。
しかし、続けて医師に
「休んでください。学校に通い続けることに、医師としてOKは出せません」
と言われ、
「たしかに、重力との戦いにも疲れてきた。明日から戦わなくていいなら、少しお休みしよう」と思い至りました。
「勉強が楽しい」と「勉強しなくちゃ」は違う
私は、うつ病というのは「勉強がつまらないなぁ」と思うようになる(ような)病気だと思っていました。
Xデーまで一度も「勉強がつまらないなあ」とは感じたことはありませんでした。
しかし、「最近いつ、勉強が楽しいと思ったかなあ」と考えてみると、思い出せませんでした。少なくとも2~3か月は、「勉強しなくちゃ」「がんばらなくちゃ」と思っていただけで、「楽しい」とは感じていなかったと思います。
「いま、勉強は楽しいと感じますか?」と問われたら、感じていないと答えるしかなかったです。
顛末
いわゆる「うつ病らしい症状」もこのあと出ました。10年近く戦いました。
脳の傾向がわかり、ストラテラというADHDの薬を飲み始めたくらいから、だんだんよくなりました。
「最近いつ”死にたい”って思ったかなぁ」と考えても、もう思い出せません。
先日、別の検査で、久々にうつのチェックテストを受けました。
医師に
「精神的にはとても元気ですね」
と言われて、嬉しかったです。
まとめ
- 精神的に憂鬱だという自覚がなくても、うつ病ということはある
- 身体が重すぎて動かせないとか、判断力が鈍るとか
- 「楽しいか楽しくないか」すら考えなくなる
- この記事と同じような症状が出たら病院へ!
コメント
コメント一覧 (2件)
わたしも学校へ通っていて、
ある日本当に行けなかった日がありました。
わたしの場合は前日にそれがなんとなく分かっていて
いかないと決め込んでいたわけですけれども。
長い間闘病お疲れ様でした。
[…] […]