日本ではまだなかなか馴染みがない学習コンサルというサービスについてお話ししています。すなわち「学習コンサルって一体何ができるのか」「どんなサービスなのか」ということです。
いろんな使い方をしていただけるので、何々ができますと一言で説明をするのは難しいです。そのため、よくあるパターンをいくつか紹介しています。
前回の記事では、一番多い相談である、「志望している〇〇の入試に向けて何をしたらいいか」について、どのようにコンサルをするかをお話ししました。
今回はその次に多いお悩み相談のうちから、いくつか挙げてみます。
「学習習慣がない」(本人ver)
これはシンプルです。
本人に目標があればその目標に関係するものを、具体的になければどんな学習をしたいかヒアリングして、その人の生活リズムを伺ってどこに入れるのが最適化を確認し、毎日最低限やるもの(スモールステップ)を決定します。
「学習習慣がない」(おうちのかたの相談ver)
これは難しい。
本人が学習に興味がなければ、
- 学習→試験結果の成功体験
- 興味のある分野を掘る
- 学習以外のもので習慣をつくり、習慣づけの良さを感じてもらう
の3通りのアプローチをします。どうにもならないこともあります。
意外と「学習→試験結果の成功体験」は効きます。
漢字や英単語のテスト、社会の暗記などの、範囲が客観的に決まっていて、暗記すればそのまま点数になるものを見極めて行います。
「何に対しても興味がない、無気力」のように見える場合は、心身が健康的でない可能性を疑うこともあります。
〇〇が嫌い(勉強や科目編)
これも、好きになってもらうのは難しいです。
本人になりたいものがあるか、それに必要か不要かを聞いていって、
「数学は嫌いだけど国立大学に行きたいからセンター試験では〇点取れるようにする」とか
「指定校推薦やAOも視野に入れているので赤点は取れない」とか、
落とし所を探っていきます。
好き↔︎嫌い
テストで点数が取れる↔︎取れない
これ、別のことなんですよね。
科目への「嫌い」って、「話もおもしろくないし、テストでも点数が取れない」という2点であることが多い。
だから、「嫌いなままでいいから、点数取れるように勉強だけしてみよっか」という感じでその子に合う勉強法だけ教えてしまい、とにもかくにも得点源になると、「嫌いな気持ち」は薄れることが多いです。
ぼく自身が家庭教師をして教えることもあります。
〇〇が嫌い、興味がない(本を読まない、辞書を引かない、博物館に行っても興味を持たないとか系)
おうちの方からの相談の場合は、
- あなた(保護者様)は本を読みますか?
- 本を読む姿を見せてきましたか?
- 辞書を引きますか?
- 辞書を引く姿を見せてきましたか?
とまず伺います。
「何をどうやっても本の虫に育つタイプの本好きの子」もいますが、珍しいです。
おうちの方がこういった相談をしてくださる時点で、そういうタイプの子ではないです。
他の理由でお子さんが本を読むことに興味を持つとすれば、
「赤ちゃんのときから、本を夢中で読む大人の背中を見て育ってきたか」は大きく影響します。
本よりスマホに夢中になる大人の背中を見て育ってきていたら、あまり本好きには育ちません。
大人が本を全然読まないのに、スマホをいじりながら口だけ「読書は大事だから読書をしなさい」といくら言っても、難しいものがあります。
赤ちゃんは大人の行動をよく見ています。
大人がほんとうに夢中になっているものに、子どもも興味を持ちます。
たとえば、「大人が使うものに赤ちゃんが興味を持って勝手に触ったり大人が使用するのを邪魔してしまうから、模したおもちゃを買ってあげたのに、模したおもちゃには興味を持ってくれない」という話はよく聞きます。
鍵やお金、リモコン、化粧品、今だとスマホもそうかもしれません。
子供は親の目を見ています。
何を本当に大事にしているか、大切に使っているか、子どもはすぐわかります。
博物館、動物園、水族館もそう。
「子どものために連れて行く、好きに見て回っていいのいうのに興味を持たない」というのには「それはそうです」と言うしかないです。
お子さんの勉強に全然ならなくたっていいんです、「これ行きたいから一緒に行こう」でいい。
「調べ物をなんでもググって終わるんですけど」「スマートスピーカーに聞いて終わるんですけど」とかも同じで、
子どものほうが「ググりネイティブ」なので、使い方が上手かったりします。
おうちの方にとっての「辞書を引いてほしい」「紙の辞書や図鑑で調べてほしい」という気持ちもあるのだろうと思いますが、
難しいところですが、「時代が違うから仕方ない」というのもある意味正しい結論です。
紙の辞書や図鑑のメリットももちろんあります。しかし、たとえば、紙の辞書や図鑑を使うことで得られる知識も、もしかしたら、「今の時代だからこそできる方法」で得ていけるのかもしれません。
紙の辞書を引くよりもスマートスピーカーに聞く方が早いので、気になることを都度聞くことで、結果的に同じくらいの時間で同じくらいの知識を得ていくのかもしれません。
(これもまた、小さい頃から紙の辞書を夢中でひいている大人の背中を見て育てば、子どもが興味をもつことはあり得ます。)
ただ「スマホで調べると言ってスマホを触り始めるが、調べた後にYouTubeを開いてしまって勉強に戻れていないようだ」というような困り感があれば、
それはまた別に解決すべきことです。
対策は、電子辞書を使うとか、保護者がスマホを預かる(調べ物のときは渡し、調べ物が終わったら戻す、5分経って戻ってこなければ保護者から声かけする等)などがあります。
また、お話をきいていくうちに、実際におうちの方が困っていることは「ゲームばかりしていて不安」とか「よくわからない動画ばかり見ていて不安」といった悩みである場合もあります。
こういった場合は、お子さんの知的好奇心がどのあたりにあるかを探ったり、「勉強をもう少し頑張ってみない?」という話をすることもあります。
プロゲーマーになるから勉強は要らないとか、YouTuberになるから勉強は要らないという子もいますが、
「プロゲーマーは、プロのスポーツ選手よりもっと引退が早い場合もある、その後はどうしようか?」とか、「YouTuberってたくさんいるけど、生活できる人とできない人がいるよ」とか、「YouTubeがある日突然なくなるかもしれないよ」とか話してみると、「そういうときはこういう仕事をしてみたい」とか教えてくれる子もいます。
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