万年筆愛好家のかおるんです。
今までに100均万年筆から6万円以上する万年筆まで、50本以上を使ってきました。
そんなかおるんが、初心者さんにおすすめの万年筆を独断と偏見で紹介していきます。
尚、見出しの価格帯は定価(税抜価格)での分類になります。
消費税10%(2021年3月現在)なら、「〜1,000円のおすすめ万年筆」には、税込1,100円以下の万年筆が紹介されています。
〜500円の初心者さんおすすめ万年筆
プレピー Preppy 300〜400円+税
500円以下で万年筆を試してみたい人におすすめなのが、プラチナ万年筆のプレピーという万年筆。
字幅(字の太さ)は極細(02)・細字(03)・中字(05)の3種類。
迷ったら細字(03)がいいと思います。
色は何色かあります。細字(03)なら、全体が透明のものがあります。
300円という値段を侮ることなかれ。
書き味だけでいうと1500円くらいの価値があると思っています。値段がバグ。
(300円なのは細字・中字のみ。極細は400円です。)
実際、これより少し高い1000円のプレジールという万年筆があるのですが、プレジールとプレピーはペン先が全く同じです。
万年筆らしいスルスル書ける感じや、インクの濃淡の差など、万年筆の魅力をちゃんと味わえる1本です。
なんとびっくり、インクカートリッジも1本ついてきます。
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定価は極細とクリア(中字のみ)が400円+税、他が300円+税です。
100均(ダイソー)の万年筆 110円
100均にも万年筆が売っていることがあります。
(時期によって売っていたり、売っていなかったりします。)
100均の万年筆も、ちゃんと万年筆です。
紙にペン先を押し付けることなく、滑らせるだけで字を書くことができます。
インクカートリッジもついてくるので、「とにかくできる限りお金をかけたくないけど万年筆を試してみたい」人におすすめです。
〜1,000円の初心者さんおすすめ万年筆
プレジール Plaisir 1,100円
先ほど紹介した350円の価格バグ万年筆プレピーの上位種がプレジールです。
「ペン先が同じなら、値段が3倍近くになるけど変わるのは見た目だけ?」と思ったあなた、そんなことはないんです。
プレピーとプレジールの最大の差は「軸の重さ、持ったときのバランス」だと思っています。
プレジールは金属軸(とはいえ軽めでgood)。
万年筆という筆記具は、ボールペンやシャーペンより少しゆったりと寝かせて持つと、書きやすいのです。
その「ゆったりと寝かせて持つ」を実現させやすいのが、プレジールの適度な重みとバランスです。
お値段以上に実力派のペン先と、持ちやすいバランス。
ビギナー向けにこれ以上ないほど最適な万年筆です。
字幅に迷ったらF(細字)が何にでも使えると思います。
ハイエースネオ 1,100円
セーラー万年筆 ハイエースネオ クリアシルバー
万年筆といえば、カラフルなインクじゃん!という方におすすめなのがハイエースネオ(セーラー万年筆)。
通常、黒や青などの定番色以外のインクを使うには、インク瓶とコンバーターを買ってきて、自分でインクを充填するしかありません。
しかしなんと、セーラー万年筆さんのカートリッジには、24色ものオシャレな色が揃っているんです。
(基本的に、万年筆とカートリッジのメーカーは合わせる必要があります。)
これはハイエースネオに付いてくるものではありませんが、おひとつ385円〜。
インクボトル1本が1,000円以上することを考えると、いろんな色を試しやすい万年筆です。
お気に入りのインクに出会いたいという気持ちで万年筆に興味がある人には、ハイエースネオがおすすめ。
(ハイエースネオには、黒のカートリッジが1本ついてきます。)
字幅は細字のみ。選ぶ必要がありません。
〜5,000円の初心者さんおすすめ万年筆
プロシオン Procyon 5,500円
「せっかく万年筆を使うなら、もう少し本格的な書き味や持ちやすさのものを選びたい」というあなたにおすすめなのがプロシオン(プラチナ万年筆)。
万年筆には大きく分けて「金ペン」と「鉄ペン」があります。
「金ペン」とは、文字通りペン先に金(14金とか18金とか21金とか)が使われているもの。
それに対して「鉄ペン」とは、ステンレスなどの合金のペン先を持つ万年筆です。
「万年筆といえば金ペン」「金ペンのほうが書き心地がいい」という人もいますが、
金ペンはビギナーさんには手を出しづらい価格であることが多いです。(概ね15,000円〜)
プロシオンはいわゆる鉄ペン。
しかし、あまりに精巧で、金ペンにしか出せないと言われている「しなり」もあります。
「そんじょそこらの金ペンより書きごこちがよい」のがプロシオンなのです。
かおるんが現在最も頻繁に使っているのがプロシオン。
字幅は迷ったらF(細字)がいいかなと思います。
「万年筆らしい書き味」をよく味わえるなのはM(中字)ですが、
手帳に書き込むとか、B罫のノートにノートを取るならFのほうが汎用性が高いと思います。
最近、プロシオンラスターというシリーズも出ました。こちらは7,000円。
ビジネスシーンでも使いやすい黒や、上品な佇まいのカラーも。
機能としては、後ろにつけたキャップが外れづらくなった気がしています。
〜10,000円の初心者さんおすすめ万年筆
プロフェッショナルギアスリム 14,300円
セーラー万年筆 プロフェッショナルギアスリム 銀 ホワイト 細字
万年筆を使うなら、書き味がいいと言われる「金ペン」から始めてみたい、というあなたにおすすめなのが、プロフェッショナルギアスリム(セーラー万年筆)。
こちら、ペン先が14金でできた、いわゆる「金ペン」です。
セーラーさんの金ペンのペン先は本当に精巧で、思ったとおりの場所にインクが置かれます。
品質が揃っており、Amazonなどのネット通販で買っても普通に使える書き味のものが届きます。
(特に舶来品などは、通販で購入するとまともに書けないペン先のものが届くこともあります。そういうときは返品するか、時々開催されるペンクリニックに持っていって直していただく必要があります)
この万年筆は、本体がやや短く、取り回しがよいのが特徴。
万年筆は本来、手首が机につく状態でゆったり持って、大きめのノートに書くものです。
しかし、現代人は小さいテーブルで書く必要があったり、小さいメモ帳に書くことがあったりします。
こういうとき、人は自然にペンを立て気味にして書くのですが、
長めの万年筆だとこれがやりにくいのです。
プロフェッショナルギアスリムなら、ゆったり持てるときも、小さく書くときも、どちらもここちよく使えます。
上に書いた理由から、小さめのメモ帳や手帳に書くことを想定して、字幅はF(細字)をおすすめしておきます。
EF(極細)なら、手帳への細かな書き込みにも使えます。
プロムナード(生産終了)
プロムナードの定価は税込11,000円でした。
生産終了で希少価値は上がったものの、新品を11,000円以上で売っているお店は定価より高い値段をつけていますのでご注意くださいね。
実はこの商品は既に生産が終了しています。
しかし、どうしても好きな万年筆なので、紹介します。
生産終了してから日が浅いので、お店によってはまだ置いてあるお店があると思います。
また、中古万年筆を扱うキングダムノートさんなんかでは、今後も入荷があると思います。
昨今は金の価格上昇などの原因で、いわゆる「金ペン」の価格は上昇傾向にあります。
国内の大手万年筆メーカー3社はどこも、ここ数年で10,000円の金ペンをモデルチェンジしたり、価格を上げたりしています。
その価格上昇以前に製造が終了した万年筆は、現在でも定価10,000円+税で売られていることが多いです。
その中で最もお気に入りの万年筆が、セーラー万年筆製のプロムナード。
10,000円で売るのがむずかしくなっても、製造をぜひ続けてほしかったなあと思う1本です。
プロムナードには、現在プラチナ万年筆が「ペン先が乾かない」機構としてプレピー・プレジール・プロシオン等に採用している「スリップシール」と同じ機構がついています。
そのため、ピグメントインク(ペン先が乾いてしまうと面倒なことになるインク。しかし耐水性・耐光性にすぐれていて、手帳などに使うと便利)でも比較的安心して使うことができます。
また、スリップシール機構によりキャップが2gほど重いのも特長。
キャップを後ろにつけると重心が後ろに下がるので、持ったときの安定感も抜群です。
「はじめての金ペン」に最適な一本。
〜30,000円の初心者さんおすすめ万年筆
プロフェッショナルギア 22,000円
金ペンの中でも、上に挙げたプロムナードやプロフェッショナルギアスリムよりも落ち着いた、ゆったり寝かせて書くような万年筆を使いたい人におすすめなのがプロフェッショナルギア(セーラー万年筆)。
少なくともA5とかB5くらいの大きさのノートに、ある程度の大きさの机で書くときに安定するのがプロフェッショナルギア。
ペン先も、プロムナードやプロフェッショナルギアスリムとは異なり、すこし大きいものになります。
ペン先が大きくなると、紙に乗せたときの反発をペン先が受け止めてくれます。「ペン先を滑らせる」感覚がさらに心地よくなります。
〜100,000円の初心者さんおすすめ万年筆
スーべレーン M800またはM1000 82,500円
ペリカン 極細字 スーベレーン M1000
「いいものを使うなら、最初から最高峰のものを使ってみたい」という人にはこれ。
ペリカン製のスーべレーンというシリーズの、M1000かM800がおすすめ。
この2種は書き味が全然違うので、店頭で試筆してからの購入をおすすめします。
個人的にはM1000の書き心地が好きです。
やわらかくてふわふわした、重厚な外観とは裏腹に軽々と滑らせることのできる、なめらかな書き味です。
最近はボールペンのように紙にペン先を押し当てて書く使用者が増えたことなどから、
万年筆メーカーは柔らかいペン先の万年筆の製造を減らし、固いペン先の万年筆が増えました。
ペリカンも例外ではなく、現在はM800などの多くの万年筆が、固いニブ。
しかし、M1000は変わらず、紙に優しく触るような書き心地なのです。
M1000はペリカンのいわゆるフラッグシップモデル。
「せっかくなら、最初から一番いいものを」と思うかたには是非お試しいただきたいです。
字幅が、日本メーカー(セーラー万年筆やプラチナ万年筆など)より太めなのでお気をつけください。
ペリカンのEF(極細)は日本メーカーのF(細字)かM(中字)くらい。
ペリカンのF(細字)は、日本メーカーのM(中字)とB(太字)の間くらいです。
舶来品の万年筆は、ペン先に個体差があります。(少し太め、少し細めなど)
気になる方は店頭で試筆したものを購入するか、ペンクリニックなどで調整してもらってください。
また、この商品にはインクカートリッジが付属しませんので、こんな感じのボトルインクを併せてご購入ください。
まとめ
価格帯別に、初心者さんにもおすすめできる万年筆を選びました。
参考になれば幸いです。
動画でも紹介しています(この記事で紹介した万年筆のうち、4本を紹介しています。)
https://www.youtube.com/watch?v=lOZ6wSsphsE